計算方法と前提
家計と老後資金の見通しをつかむための、簡略化した試算です。結果は大人ごとに表示し、世帯合計は表示しません。
基本の考え方
- 1年単位で計算します。税金や社会保険料は計算せず、手取り額を入力します。
- 金額はすべて「今のお金の価値」で表示します。名目の利回り・昇給率を、インフレ率で割り引いて使います。
- 計算はブラウザの中で行い、入力値や結果をサーバーに送りません。
初期設定は、積立期間の名目利回りが 4%、インフレ率が 1.5%、名目昇給率が 0%、想定寿命が 95歳です。いずれも将来を予測した値ではなく、入力画面で変更できます。
「昇給なし」の意味
額面が今のままであることを指します。物価が上がる分、実質の手取りは毎年少しずつ目減りする前提です。昇給を当てにしない、保守的な試算にしています。
収入の見通しを入力した場合は、その見通しを使います。指定した年齢の間は月の手取りを少しずつ変化させ、最後の見通し以降は額面を据え置きます。賞与も月の手取りと同じ割合で増減させ、物価上昇を考慮します。
収入
月の手取りの12か月分と、年間の賞与手取りを合わせます。退職予定年齢の年から給与収入はなくなります。年金は受給開始年齢の年から月額の12か月分を受け取り、今のお金の価値で一定とします。
児童手当
年齢と出生順から月額を決め、入力した受取人の収入に加えます。
| 条件 | 月額 |
|---|---|
| 0〜2歳 | 15,000円 |
| 3〜17歳 | 10,000円 |
| 第3子以降の0〜17歳 | 30,000円 |
制度上の「18歳到達後最初の3月末まで」は年単位に丸め、18歳の年からは計上しません。第3子以降かどうかは、入力した子どもの生まれ年が早い順(同じ年は入力順)で固定します。上の子が18歳を超えても変えないため、実際の制度の数え方とは異なります。
出産予定の子どもは、出生前の年には費用も児童手当も計上しません。
子どもの費用
年齢から学校段階を決め、選んだ進路の教育費を計上します。幼稚園から高校までは、学校教育費・学校給食費・学校外活動費を含む学習費総額です。0〜2歳の保育料は固定費として入力してください。
| 段階 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園・保育(3〜5歳) | 184,646円 | 347,338円 |
| 小学校(6〜11歳) | 366,599円 | 1,741,516円 |
| 中学校(12〜14歳) | 542,450円 | 1,560,359円 |
| 高校(15〜17歳) | 596,954円 | 1,179,261円 |
| 区分 | 年額 | 入学金 |
|---|---|---|
| 国立 | 535,800円 | 282,000円 |
| 私立文系 | 992,284円 | 219,951円 |
| 私立理系 | 1,356,691円 | 245,362円 |
大学は18〜21歳の年に授業料と施設設備費を計上し、18歳の年に入学金を加えます。「進学しない」を選んだ場合は大学費用を計上しません。教育費と子どもの生活費は22歳以降には計上しません。
| 年齢 | 月額 |
|---|---|
| 0〜2歳 | 30,000円 |
| 3〜5歳 | 30,000円 |
| 6〜11歳 | 35,000円 |
| 12〜14歳 | 45,000円 |
| 15〜17歳 | 50,000円 |
| 18〜21歳 | 30,000円 |
生活費は古い調査を参考にした仮置きです。現在の支出や地域・家庭による違いを表すものではありません。
負担の分け方
支出は大人A・大人B・共通に分けます。共通費は入力した割合で分け、初期設定の大人Aの負担割合は 50% です。大人がひとりの世帯では全額その人の負担にします。
片方が退職しても、もう片方の負担額は増やしません。退職した人の固定費は計上せず、本人が入力した老後の生活費に置き換えます。
老後に必要な額
退職予定年齢から想定寿命の前年まで、各年の「生活費と自分負担の子どもの費用」から「年金と児童手当」を引いた額を合計し、退職後の実質利回りで割り引きます。年末に取り崩す前提で、年金の受給開始前は生活費の全額が必要になります。
退職後の利回りの初期設定は、名目 1.5%、実質 0% です。
退職後も子どもの費用(21歳まで)が続く場合は、その分も老後に必要な額に含めて試算します。年表でも同じ費用を資産から差し引くため、老後の月生活費には子どもの費用を含めずに入力してください。
積立なしでの見込みと必要な積立額
今の投資を退職まで実質利回りで運用した額に、生活防衛資金を超える現金と退職金を加えます。現金は運用せず、退職金は今のお金の価値として扱います。
老後に必要な額との差を、退職までの年数と利回りから毎年の積立額に換算します。年末に積み立てる前提です。実質利回りが正でない場合は積立分の運用益を見込まず、不足額を年数で分けます。毎月の積立額は、その年額を12か月で分けたものです。
年表では必要な額を毎年積み立てると仮定します。積立後の現金がマイナスになる年もそのまま表示し、取り崩せる現金が足りないことを示します。収入は給与・年金・児童手当、支出は固定費・教育費・生活費・老後生活費に分けて確認できます。
現実性の判定
余力は、収入と児童手当から自分負担の支出を引いた額です。退職までの就労期間で判定します。
- ok: すべての年で、余力が必要な積立額以上ある場合です。
- caution: 平均の余力は必要な積立額以上でも、余力が足りない年がある場合です。
- tight: 平均の余力が必要な積立額に届かない場合です。
- 積立なしでの見込みが老後必要額に届く場合は、追加の積立が不要な見込みとして表示します。
シナリオと打ち手
入力どおりの前提に加え、名目昇給率を2ポイント増やした場合と、積立期間の名目利回りを1%にした場合を比較します。昇給シナリオでは入力した収入の見通しを使わず、昇給率による計算に置き換えます。
余力が足りない場合は、退職を5年遅らせる、積立期間の名目利回りを1ポイント高く見積もる、毎月の支出を減らすという打ち手を示します。退職の延長は80歳または想定寿命の前年を上限とし、延長できない場合は表示しません。
支出削減は平均の不足額に相当する目安で、年ごとの収支を再計算した結果ではありません。利回りを高く見積もる比較も、運用成果や商品の購入を勧めるものではありません。
生活防衛資金と NISA の枠
生活防衛資金は、計算開始年の自分負担の支出を月額に直し、設定した月数分を確保する目安です。年払いの特別費や子どもの費用も含めます。初期設定は 6か月分です。
現金が足りない場合は、まず現金を確保してから積立を始めるという考え方を添えますが、そのために積立開始を遅らせる計算はしていません。
- NISA のつみたて投資枠: 年間 1,200,000円
- NISA の年間投資枠(成長投資枠との合計): 3,600,000円
- NISA の生涯投資枠: 18,000,000円
必要な年間積立額がどの枠に収まるかを示します。生涯枠の到達年は、現在の NISA 残高を入金額の近似とし、年間積立額と年間投資枠の小さい方を毎年加える簡略化した目安です。売却による枠の再利用は計算しません。
iDeCo は60歳まで引き出せません。生活防衛資金には数えません。ここでは制度の枠の情報だけを示し、個別の商品や金融機関を紹介しません。
初期値の出典
確認日はすべて 2026-09-27 です。以下は初期値の根拠であり、最新の制度や各家庭の実際の支出を保証するものではありません。
| 項目 | 出典 | 調査年 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 幼稚園〜高校の教育費 | 文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」学習費総額。2024-12-25 公表、2026-01-16 訂正版 | 2023年 | 2026-09-27 |
| 国立大学の費用 | 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令の標準額 | 調査年なし | 2026-09-27 |
| 私立大学の費用 | 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」。2025-12-26 公表。年額は授業料と施設設備費の合計 | 2025年 | 2026-09-27 |
| 子どもの生活費 | 内閣府「インターネットによる子育て費用に関する調査」(平成21年度)を参考にした仮置き。要見直しの参考値 | 2009年 | 2026-09-27 |
| 児童手当 | こども家庭庁「児童手当」。2024年10月改正後の制度 | 調査年なし | 2026-09-27 |
| NISAの枠 | 金融庁「新しいNISA」。2024年開始の制度 | 調査年なし | 2026-09-27 |
| 利回りなどの試算前提 | 仕様書 v0.6 §5.1 の試算前提。公的調査値ではありません | 調査年なし | 2026-09-27 |
できないこと・注意
税金・社会保険料の計算、住宅ローンの繰上げ返済や借り換えの試算、確率的なシミュレーションには対応していません。将来の制度改正や物価・運用の変動を予測するものでも、個別の金融上の助言でもありません。
本ツールは入力値と一定の前提にもとづく試算であり、将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。